『アクタージュ』の天知心一って何者?意外とスゴイ奴だった!

マンガ

マンガには、特別人気キャラというわけではないけど重要な役割を果たす人物というのが居ます。『アクタージュ』の天知心一(あまちしんいち)もそんなキャラクターです。本作の「羅刹女(らせつにょ)編」を読んだ方なら分かりますよね?

主人公・夜凪景(よなぎけい)の前に突如(とつじょ)として現れた彼は、夜凪が活躍すべき大舞台を整え、彼女を役者としてさらに一段階成長させる役割を果たしました。最初はちょっと悪役っぽい雰囲気を漂(ただよ)わせていた天知ですが、なかなか重要な働きをしています。

思えば、『アクタージュ』の第1回人気投票では危うくベスト10に入りかかった男です(※11位)。一定数注目している人は居るのです。そこで今回は、この胡散臭(うさんくさ)い芸能プロデューサーの天知心一について語ってみたいと思います!需要(じゅよう)あるよね?

「アクタージュ・羅刹女編」の重要人物・天知心一、初登場は7巻

天知心一は初登場時のインパクトがすごかったですよね?「羅刹女編」で重要な役割を果たす天知ですが、初登場は「学校編」スタートの少し前、コミックス第7巻です。

天知心一 初登場時
引用 『アクタージュ』コミックス第7巻、scene 53

見てください、この怪しさ!眉間(みけん)のホクロ・細長い目・白髪、よくまあここまで胡散臭いキャラクターを造形できたものです。僕は一目見ただけで、「こいつは只者ではない」と思いましたね(笑)

天知心一ってどんな人?

それでは、そんな只ならぬ雰囲気を持つ天知心一とはどんな男なのでしょうか?

黒山墨字(くろやますみじ)の対極に位置する人物

最初に言えるのは、みんな大好き「黒山さん」とは真逆の男だということです。

黒山と天知
引用 『アクタージュ』コミックス第7巻、scene 54

二人は見事なくらい正反対です。ちょっと比べてみましょうか。

天知心一
  • 何よりも「お金」を重視するビジネスマン
  • リアリティのない怪しい風貌(ふうぼう)
  • まっすぐな白髪
  • 天知という「天」を意味する名前
黒山墨字
  • 金も名声も求めない映画監督
  • リアルなオッサン
  • ボサボサの黒髪
  • 黒山という「地」を意味する名前

ほらね、「百城千世子(ももしろちよこ)」と「夜凪景」と同じくらい正反対でしょ?

でもね、一見真逆の二人には実は共通点があるんですよ。それは、夜凪景の才能に惚(ほ)れ込み、自分の価値観・立場で彼女を導こうとしていること。そして、自分の専門分野では二人とも超優秀だということです。そういう意味では二人は良く似ているのです。

鬼才と呼ばれる映画監督の黒山は、夜凪の役者としての才能を見出し、彼女を芝居の世界に導きます。一方、大物プロデューサーの天知は、ビジネスマンとして夜凪の商品価値を見抜き、スターに仕立て上げようとします。この二人、もしも利害が一致したら案外いいコンビになるかも知れませんね。

実は一流の芸能プロデューサー!

天知心一の芸能プロデューサーとしての手腕は、間違いなく超一流です!それは、彼の成し遂げたことを見れば分かります。天知は以下のすべての人たちを口説き落とし、自ら仕掛けた舞台・羅刹女のダブルキャスト公演に巻き込んだのですよ?

天知が動かした人々
  • 大手芸能事務所スターズの稼ぎ頭・百城千世子。もしダブルキャスト公演で負ければ、スターズにとって大きな損失
  • ハリウッド俳優・王賀美陸(おうがみりく)。スターズを捨て海外で成功した男
  • 演劇界の怪物・明神阿良也(みょうじんあらや)。富や名声に興味のない天才役者
  • 「羅刹女」の原作者・山野上花子(やまのうえはなこ)。一人で創作に耽(ふけ)る孤独なアーティスト

彼ら全員の協力を取り付けるなど尋常(じんじょう)なことではありません。夜凪を喜ばせたい一心で頑張ったというのですから、大した男です。

移動手段から漂う大物感

天知は、既に芸能界でかなりの地位を築いている大物プロデューサーと思われます。それは彼の移動手段を見れば分かります。ある時はヘリコプターで飛来し、またある時は高級車のアウディを走らせています。

(天知)私はね黒山 反省したんだよ

(黒山)あ?手前(てめえ)の移動費の高さにか?

(天知)いいや

引用 『アクタージュ』コミックス第8巻、scene 64(※発言者とカッコ内ルビは引用者)

全く反省の色なし(笑)でも逆にいえば、高額な移動費を掛けても利益が出るくらいプロデューサーとして辣腕(らつわん)を振るっているということです。彼は大物ですね、間違いない!

初登場時は夜凪を試しにやって来た?

ところで、天知といえば誰もが印象に残っているのが、初登場時の夜凪に対する仕打ちでしょう。

週刊誌記事を示す天知
引用 『アクタージュ』コミックス第7巻、scene 53

お節介(せっかい)にも彼女を「悲劇のヒロイン」に仕立て上げる週刊誌記事を仕掛けようとします。

札束をばらまく天知
引用 『アクタージュ』コミックス第7巻、scene 54

そしてそれを受け入れさせるため、文字通り「札束で頬(ほお)を張る」ような真似をするのです。かなり非常識だし悪役臭がプンプンしますよね?でもこれってもしかして、自分が目を付けた夜凪の「価値」を試すためにやってるんじゃないですかね?

つまり、ここで夜凪が金と圧力に屈して「悲劇のヒロイン」を受け入れるタマなら、天知は早速ビジネスをすることができます。しかし、これをはねのけ自分の意志で自分を定義しようとする器なら、今はまだ時期尚早。より大きなビジネスチャンスが後に待っているということになります。

天知の申し出を断る夜凪
引用 『アクタージュ』コミックス第7巻、scene 54

皆さんご存知のとおり夜凪は天知の申し出を拒絶します。すると天知は、「想定より良い女だ」との言葉を残して立ち去るのです。試した結果、夜凪により大きな価値を見出したのではないでしょうか?実際、手痛い出費を被(こうむ)っても記事を取り下げ、次のチャンスを待つことにしています。

天知の「ホクロ」について

触れちゃいけないが触れずにいられない天知の「ホクロ」。上でも書きましたが、なんと眉間にあるのです!思わずコレを連想してしまいますよね?

仏像

仏像の額(ひたい)に有るおできのようなコレ、「白毫相(びゃくごうそう)」って言います。

白毫相とは?
仏の眉間にある白い巻き毛。光を放ち世界を照らすとされる。

仏様の特徴(とくちょう)を連想させるホクロとは、実に意味深です!「そんなの只のこじつけだよ」と言う人は、こちらをご覧ください。

仏像と天知
引用 『アクタージュ』コミックス第8巻、scene 70

天知の登場シーンで、わざわざ象徴的(しょうちょうてき)に仏像のアップが描かれています。しかも天知ときたら、背後の仏像とシンクロして座禅を組んでいるんですよ!彼の額のホクロが、仏像の白毫相をイメージしたものなのは間違いありません!

仏様の特徴と同じホクロを持つ男・天知心一。やっぱり只者じゃないんだろうなあ・・・。

まとめ

  • 「羅刹女編」の重要人物・天知心一は、初登場時から只ならぬ雰囲気を漂わせていた
  • 天知は、黒山墨字とは正反対だが共通点もある人物
  • 芸能プロデューサーとしての手腕は超一流!
  • 初登場時の行動は夜凪を試そうとしたものか?
  • 額の「ホクロ」は仏像の白毫相をイメージしたもの

今回は、多くの人があえて語ろうとは思わない人物・天知心一について語ってみました。初登場時は奇怪千万(きかいせんばん)で悪役然としていた男ですが、その後なかなか重要な働きをしています。

今後も夜凪の「女優道」に色々関わってくるのではないでしょうか?特段人気キャラクターというわけではありませんが、この男の動きに注目してみるのも面白いかも知れませんよ。